「上益城郡歌」新事実判明。
今年5月6日の熊本日日新聞でもご紹介いただいた「上益城郡歌」。今日の人吉での研究発表会で新事実が判明しました。以前からお世話になっていた元人吉市教育委員会文化財専門員の和田好史さんのご報告の中で、17~18世紀の人吉球磨地域の偉人「林正盛」「高橋政重」の頌徳碑が大正13年に人吉神社境内に建立され、その除幕式で犬童球渓の指導により披露された頌徳歌(作詞・作曲とも犬童球渓)の楽譜(当時の演奏者により採譜されたもの)をスクリーンで紹介されたとたん「上益城郡歌とほとんど同じ…」と気づき、隣に座っていた鶴上寛治先生(犬童球渓の孫・記念館館長)にお伝えし、その後、発表された和田さん、会の主催者である尚絅大短期大学部の森准教授にもお伝えしました。和田さんも、最近の調査でこの楽譜に気づいたそうで、お互いに「すごい発見」と興奮したところです。(私が嘉島町議会・清崎議長の歌唱を元に復元した楽譜が、調性も含めほぼ正確だったこともうれしく思います。)
楽譜は、「復刻 幸野溝」という書籍に掲載されたオルガン伴奏譜で、森准教授によれば、別の歌詞が同じメロディというケースはほかにもあるとのことで、上益城郡歌が大正10年発行の「上益城郡誌」に掲載されていることから、上益城郡歌のメロディがその後、先述の頌徳歌にも使われたものと推測されます。除幕式がオルガン伴奏だったことや、(今後、調査を進めたいと思いますが)学校現場ではオルガンが広く使われていたと推測されることから、今日、確認できたオルガン伴奏バージョンで、今後、復刻版を仕上げてみたいと思います。出来上がりましたら、こちらでもあらためて紹介します。
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